医療とMR

医師とMRの適切な関係について、週刊医学界新聞に記事があった。

この業界では、こんなことがまだ普通にあるのだなあと感じた。

建設業界など他の企業でも、以前は客と営業の間にかなり色々やり取りがあったようだが、
最近はめっきりなくなって、お歳暮やお中元の習慣も、企業で禁止しているところもある。

ただ、やはり建設会社に顕著に出ていると思うが、景気はそんなやり取りがあった時代のほうがずっと良かった。
景気が良かったからやっていたのか、そういうことでお金が回っていたから景気が良かったのか。

「白河の白き流れに・・・」
という昔日本史の教科書で読んだような歌がよみがえる。

MRと医師の間に、利益の絡むやりとりが多すぎて、医者が製薬会社の思うように動かされてはとてもEBMとはいえない。
が、そうした金銭の動きがあったからこそ医薬業界が発達したのかもしれないし、
医学的な研究も製薬会社の援助なしでは成り立たないだろう。

製薬会社もボランティアで薬を開発しているわけではないし・・・。

何もかも潔白にしてもうまくいかないだろうし、
真実を追究するなら余計なバイアスはないほうがいい。

営業がいるということは、
その分のお金が会社から出ているということ。
それは売る薬から成り立っているということ。

利益を求めずして発展は難しい、とは思うが、
それが致命的なバイアスを生まないことを願う。

テーマ : 医療・病気・治療
ジャンル : 心と身体

インフルエンザの・・・

新型インフルエンザに関する情報が、最近どこにでも飛び交っている。

いろんな人が、色んなところから得た情報を、色んなところで発信している。

タミフルをこんなに簡単に出すのは日本だけらしいとか、

予防接種の安全性がはっきりするまでは安易に妊婦や子どもに推奨すべきでないという意見や、

漢方による治療を見直そうという話題、

それに反して、中途半端な知識で漢方を処方すべきでないという意見、

漢方の有効性に関するデータはあてにならないという意見、

解熱剤は控えたほうがいいという意見や、

体力保持のために高熱の際は解熱剤も上手に使うべきとする意見・・・・


どれも正しそうに見えるが、全てを総合するとますます訳がわからなくなる。


実際のところ、新しいウイルスで研究段階だし、
比較研究が簡単にできるような疾患でもないし、
不確かな部分が山のようにあるのだろう。


こんなに情報はあるのに、正解がない。

結局、自分で選ぶしかないらしい。

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第844回「心に残った絵本」

こころに残った絵本・・・・というと、色々ありすぎて絞れない。

最近はいい絵本がたくさん出ているが、ロングセラーも見逃せない。
3歳の息子も絵本が大好きだ。

当院の患者図書にも、絵本が置いてある。
いつのまにかどこかに消えてしまったものもあるが。

「わすれられないおくりもの」
という絵本もある。

誰かを失うことを、どういう風に受け止めたらいいのか、ヒントになる1冊だ。

それから
「チャーリーブラウン ともだちがおもい病気になったとき」
絵本にあまりないテーマだが、暗くならずかわいらしく、好きだ。

所蔵にはないが、この前古本屋で「悲しいほん」という絵本を読んだ。
誰のものでもない自分のどうしようもない悲しみの処理に困る、一人の男の姿だ。

悲しみという形のないものをすごく表現している。

絵本は不思議と、時々すごい力があると感じる。

しかし、まだ未知の世界が限りなく広い子どもにとって、
また自分で文字が読めない幼児にとって、
絵本は大人とはまた違った、大きな影響を与えるように思う。

なにしろ、絵本の中にはまだ実物を見たこともないものがたくさんある。
大人のように先入観はない。
ストーリーの矛盾も気にしないし、ものすごく簡単に絵本の世界に入り込んでしまう。

子どもはきっと、誰よりも絵本を読む天才なのだろう。

PubMed新デザイン

PubMedのTOPが新しいデザインに変更になった。
最近PubMedで検索していなかったが、検索BOXに文字を入れると検索の候補語まで出してくれるようになっていた。
しかも、検索をすると検索結果の横に「also try」と、関連する検索語候補まで勝手に上げてくれるし、
無料公開論文やレビュー論文などのフィルターごとにヒット件数を表示してくれる。

Advanced search画面では便利機能が1ページにまとめられ、利用者がWEBの中で迷子になることもない。

ここまで親切にしてもらったら、MeSH検索の知識なんかべつになくっても、普通の検索くらいなら誰にだってできてしまうだろう。
つくづく、進化したものだと思う。

医中誌も無料公開して、日本の無料公開論文ももっと増えればよいのに。
学会誌の論文や、学会抄録なんて全部無料にしたほうが、症例報告をより簡単に集めることができて、研究もどんどん進むんじゃないかと思うのだが・・・。

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患者の不満

普段から受診しなれていない病院、とくに総合病院を受診すると、そのシステムに「え?」と思うことはある。
大きな病院ほど、サービスもシステムも充実していると思ってきている場合はなおさらである。

一般の診療所は、比較的患者の居心地とか、不安や苦痛、心理的な側面に配慮された工夫がたくさん凝らされている。
開業医とならば、診療所は自分の城であるから、自由に工夫もできるし、患者さんの喜ぶ顔もまた近い。
医師も、自分次第でいいクリニックを作れるし、受診患者の数で成果が見えるから、やりがいもあるだろう。

一方総合病院では、診療所では受けられない高度な治療や検査を受けられたり、複数の科で診て貰えるメリットがある。
ただ医師のほうからすると、初診の患者が紹介状をもって、不安な面持ちでやってくる。
患者は、診療所から紹介状が出るなんて、大事になってしまったと思っているかもしれないが、
総合病院ではもっと重病の患者や予後が懸念される患者は山ほどいたりするので、感じ方が違う。

また、特に大学病院では多いと思うが、研修医が診察に立ち会ったりするのは医師からすれば当たり前だが、
患者からすれば、決して気持ちのいいものではない。

総合病院を初めて受診して、待ち時間から診察・会計まで、全てに満足して帰ることができた人は少ないのではと思う。
ある程度慣れてくると、そういうものだと思うことができるかもしれないが、
だからといってそうした不満を持つ人に「慣れてください」というのも乱暴であるから、病院側もちょっとは配慮する義務がある。

病院を受診して思うのが、人は事前に了解を取る言葉があるかどうかで、感じ方が全く違う、ということだ。
「2時間ほどお待ちいただきますがよろしいですか」とか「研修医が立ち会いますがよろしいですか」とか
「この処置は人によって激痛に感じる場合があります」とか。

以前、何気なく「処置をしますね〜」と処置室に入って、気が遠くなるほど痛い思いをしたことがある。
痛い処置があるなんて、これっぽっちも予測していなかったのだ。先に言っておいてくれ!と思った。

もっとも、医療者側にとっては日常茶飯事の出来事で、こんなことでいちいち断わっていられない、と感じるかもしれない。
また、どの患者がどの出来事に対してどう思うかというのも、必ずしも予測が付くわけではない。

しかし、普通の人間ならおそらく不快に思うだろうことには、事前に一言述べておいたほうが無難だとおもう。
特に研修医の立会いについては、もう少し配慮があってもいい。
患者は病気ということで、心身ともにデリケートな部分を露出しているということを、医療者側も忘れてはいけない。


診察中に不快な対応を感じると、患者は医師の人格さえも疑ってしまう。
医師の説明の仕方が悪いとか、態度が悪いとか、言葉に傷ついたとか、医師が思ってもいなかったことに苦情が出ることがあるかもしれない。
ただ、医師は診断と治療が主な仕事であり、もちろんそれを重点的にやっていただきたいし、そうなるとそこまで気が回らない、ということもあるだろう。
ならば看護師や事務員、検査技師などのコメディカルが、色んな方面からフォローをすべきだろう。
きちんとしたフォローがされれば、ちょっとした不快も、全体としては気にならなくなるものである。
そして医師は、患者の心理的側面に配慮しきれない部分を、他のスタッフがフォローしてくれていることを忘れないことである。

毎日毎日違う患者を見ていて、その患者一人ひとりに神経を研ぎ澄まし接するのは困難であるが、
毎日顔を合わせるスタッフに感謝の意を持つことは難しいことではないはずだ。

また、日常茶飯事となってしまっていることにこそ、マニュアルを作成する必要もあるだろう。
100人の患者がいて、何のマニュアルもなしに100人の患者に合わせて対処をするのは難しい。
さっきも言ったが、事前に断りがあるだけでも印象がだいぶ違う。
個々のスタッフが注意していても、100人のうち1人に言い忘れ、その1人が大きくクレームを出さないとも限らない。
だから、決まったタイミングで決まったフレーズで伝えるよう、マニュアルがあるほうが、かえって楽な場合もあるだろう。

なんにせよ、こうした問題は、一つ一つの事例を拾い上げ、病院の問題として考えていくシステムがあるだけでも、
かなり改善されるのではと思うのだが、なかなかそういう余裕はないらしい。
リスクマネジメントなど、病院に重大な影響を及ぼす可能性のあるものに関しては、委員会が設立されたり、担当者がいたりするかもしれないが、
患者の潜在的な不満に対し、積極的に向き合っていこうとする専門の部署は、どの病院にもあるわけではないだろう。

結果、患者に慣れてもらうほうが早かったりするのかもしれない・・・。

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